久しぶりにふたりそろって食卓を囲った。帰る日のことに気をとられて無言でもそもそと咀嚼していると、三門さんが少し困ったように笑う。
「今日は何をしていたの?」
「あ……えっと、宿題と、お裁縫です」
「お手玉だね。そう言えば、小豆洗いが“巫女さまが買って行ってくれた”って喜んでいたよ」
その言葉に、昼間の一件をハッと思い出した。
「そうだ、小豆!」
突然声をあげた私に、三門さんは目を瞬かせる。
「降ってきたんです」
「ん? 降ってきた?」
「天井や棚から小豆が降ってきて、私がそれを集めていたら、誰かの笑い声がして……」
とても小さな気配、そして笑い声。確かにいるはずの何かは、何なのか分からないままいつの間にかいなくなっていたのだ。
三門さんは「なるほど」と言って口元を緩める。
「じゃあその小豆ドロボーを捕まえようか」

