あ、と思わず声が出る。お父さんに頭をぐりぐりと撫でられて、手が離れても頭をあげることができなかった。そしてお父さんは、三門さんと一言二言挨拶を交わすと鳥居へ続く階段を降りて行った。
お父さんが見えなくなって、ふわあと大きな欠伸をした三門さんを見つめた。
明後日、私はお父さんたちと一緒に家へ帰ることになった。
四日後の一月八日から三学期が始まるわけだし、いつまでもここにいられるわけではない。ここへ来る時だって、今は逃げているけれども、いつかは帰って来なければならない。そう分かっていたのに、面と向かってその事実を付き付けられてしまうと、何とも言えない気持ちになるのだ。
「中、入ろっか」
私を見下ろした三門さんが柔らかく微笑む。ひとつ頷いて、重い足取りでついていった。

