「ああ。あれはね、神社や木に宿った神様の力を借りて、悪い運勢をいい運勢に変えるために結ぶんだ。神様と縁を結ぶって意味もあるんだ。本来はどれも持ち帰っていいんだよ。あれに書かれているのは、その人が“いま必要としている”神様のお言葉だからね」
なるほど、深く頷いた。なんとなくお御籤は買ってから結ぶまでが一連の流れなのだと思っていたけれど、そうではなかったのか。“いま必要としている言葉“なら、なおさら肌身離さず持っておいた方がいいのかもしれない。
「麻ちゃんも後で引いてみたらいいよ。あ、でも、少し後に来てね。たぶん同い年だから、変に意識しちゃうんだと思うんだ」
そう言って苦笑いを浮かべた三門さん。
篠のことを言っているんだと直ぐに分かった。私も、叱られている姿は誰かに見られたくない、きっと妖でもそう思う感覚は々なんだろう。
他にも役立ちそうな神社のうんちくをいくつか教えてくれた三門さんは、十分もゆっくりとしないうちに立ち上がった。もっと休んだほうがいいと苦い顔をするババを宥めながら、いそいそと社頭へ戻っていった。

