「少し驚いたんだ。これを常に身に着けておくっていうことは、円禾丸にずっと守ってもらっていることと同じ意味なんだ。たいていの災厄は跳ね返すことができる。……まさか、彼がそう言うことをするひとだったんだなんて、思わなかったから」
ババから聞いた通りだった。この切羽ひとつでも、それくらいの効果があるらしい。不思議に思いながら切羽の穴を覗いて手で弄ぶ。
「小さい頃に見た切りで、最近は全く会っていなかったから、てっきりもう人間の前には姿を現さないようにしているんだと思ってたよ」
ふと円禾丸との会話を思い出す。
確か、円禾丸は三門さんに“こわい”と言われてから姿を見せないようにしていたんだ。けれど三門さんはそんなことを全く覚えていないらしく、突然姿を見せなくなったと嘆いている。
これは、もしかして。
「あの……三門さん。実は────」

