『探検しておいで』と言ってくれたけれども迷子になりそうで、結局お使いが終わると通ってきた河原沿いをたどるように神社へ向かって歩いていた。
川の水面がきらきらと光っているのをぼんやりと眺めながる。
しばらくのんびりと歩いていると、突然顔に何かがバサリと当たり、視界が真っ白になる。
驚いて顔に手をやると、飛んできたのは手ぬぐいらしい。
随分と使い古されているものらしく、ところどころに解れがあった。しかし汚れは一切なくて、優しい石鹸の匂いがする。
手ぬぐいを片手にきょろきょろと当たりを見回すと、河原の茂みで腰をかがめて何かを探すそぶりを見せる人影を見つけた。
手ぬぐいとその人影を交互に見やる。ふう、とひとつ息を吐くとその人影に歩み寄った。

