ひゅうっと冷たい風が吹き、箒を胸の前でぎゅっと握りしめた。かき集めたばかりの落ち葉が、それに煽られて散らばっていく。ああっ、と恨めし気にそれを眺める。
滞りなく修祓の儀が終わり、三門さんに任された掃き掃除を行っている最中だ。
「おやつに焼き芋ができるくらい、集められたら集めてほしいな」と頼まれていたので、社頭のいたるところを掃いてきた。
三門さんって焼き芋好きなのかな。
そんなことを考えながら、溜息を零し再び箒を動かし始める。
「麻ちゃん、ちょっと今いい?」
名前を呼ばれて振り返ると、何かが包まれた風呂敷と羽織を片手に三門さんが立っている。
「これを届けてほしいんだ」

