「ごめんなさい、私」 「謝らなくてもよいのです。麻どのは何も悪くない」 いつもと同じ、瞳の奥に感情を隠してしまったかのような微笑みを浮かべたケヤキは立ち上がると私に手を差しだした。 体が冷えてしまいますから戻りましょう。そう言っていつも通り優しく笑うと、私の手を引き歩き出した。