あやかし神社へようお参りです。



 声を出して三門さんに尋ねることができたらいいのに。

 そう思うと胸がきゅうっと痛み、喉の奥が熱くなる。両手でそっと喉を押さえた。


 その時、舞台横の暖簾が静かにすっと持ち上げられ、そして三門さんがゆったりとした足取りで現れた。

 祭壇を横切り、祭壇の斜め前に着座する。

 ドン、と太鼓が打ち鳴らされた。


 「それではこれより、修祓(しゅばつ)の儀を執り行います。どうぞご起立ください」


 厳かな声でそう言った三門さん。私は緊張気味に立ち上がった。


 「……そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。動作は僕が教えつつ、進行していくからね」


 リラックスしてね、と笑った三門さんに、ふっと肩の力が抜ける。

 そんな私の様子に、三門さんは柔らかい表情を浮かべてひとつ頷いた。