「ちょうど鬼門の方角にある裏山にも行ってみたんだけど、一段と瘴気が濃くなっていたんだ。気配はなかったから去った後らしいけど、どうやら魑魅が裏山にいたみたいだ」
はっと息を呑むと同時に、思わずケヤキの顔を見た。
唇は固く一文字に結ばれ、瞳はまっすぐと三門さんを見据えている。
夢で見たケヤキの目と同じ。
きっと自分の手で魑魅を還すことに決めたあの日から、ずっとその目で前を向いてすべてを見てきたのだろう。
「ありがとうございます、三門さま。日が暮れる頃に私も裏山へ行ってみます」
「うん、分かった。一緒に行ってあげたいんだけれど、なにせ今日は大晦日だから神事で大忙しなんだ。ごめんね」

