本殿と渡り廊下でつながっている神楽殿は、建物内の半分は椅子が並べられた客席で反対側には舞台と祭壇が置かれていた。参拝者は椅子に座って儀式に参加するらしい。
舞台から一番近いところに座って、三門さんが現れるのを静かに待つ。
ふと、思い出したようにお腹に手をやると、先ほど感じた気がした温かさはもうなかった。あれは、いったい何だったのだろう。
先ほどのまるですべてを見透かしたようなおばあさんも、三門さんも。
そう言えば、おばあさんはおかしな言葉を口にしていた。たしか『レイリョク』。それに、『また今晩に』って。
次から次へと疑問が現れ、頭の中をぐるぐると回る。

