「兄さま、この森にたくさんの人間が遊びに来ています」
「嬉しいね、ワクワクするね」
「お友達になれるかな」
────ああ、きっとなれるよ。人間は木と生きる生き物だ。
「兄さま。嫌な音が聞こえます」
「怖いよ、何の音?」
「ぼくこれ嫌い」
────大丈夫、怖がる必要はないよ。必ず兄さまが兄弟を守る。
「兄さま、兄弟が怪我をしたの」
「人間が木を切ってる」
「たすけて、兄弟が泣いてるよ」
────どうして。
「兄さま、兄弟の木が半分に」
「呼んでも返事をしないの」
────どうして。
「兄さま。痛い、苦しい。たすけて」
────どうして兄弟が。

