日が沈み月が昇り、雨が降り風が吹き、そして何度も季節が廻って新しい命も芽生えた。
「兄さま、僕にも見せて」
「僕も抱っこしていい?」
「小さいね、可愛いね」
布に包まる小さな兄弟を一目見ようと、ケヤキの弟たちは周りを駆け回る。
ケヤキは腕に抱く小さな兄弟を起こさないように、静かにその場にしゃがみ込んだ。人差し指を唇にあてて、片目を瞑る。
弟たちも目を輝かせながら「しーっ」とそれをまねした。
「兄弟はまだ芽吹いたばかりで、とても小さいのだ。みんなで見守ってあげましょうな」
うんうん、と頷く兄弟たちに、ケヤキは目じりを下げる。

