あやかし神社へようお参りです。




 ────おお、涙が止まったか。お前は強い子だなあ。褒美に兄弟の所まで、肩車で送ってあげよう。


 前も後も見えない暗闇の中で、どこからともなくケヤキの優しい声が聞こえる。


 兄さま大好き。兄さまぼくも。兄さま肩車して。


 誰だろう、幼い声もたくさん聞こえる。ケヤキのことを兄さまと呼ぶ声だ。

 何も見えない暗闇の中で、心地よい包み込むような温かさと、思わず笑みが零れそうな優しい雰囲気が伝わってくる。


 ケヤキと誰が一緒にいるのだろうか。この優しい記憶は、ケヤキの記憶なのだろうか。ケヤキは昔も、転んで泣いた兄弟をそうやってあやしていたのだろうか。


 ずるずると引きずりこまれるような強い感覚に、私はゆっくりと身を委ねた。