「兄ちゃん待って!」
「待ってよお」
小さな妖狐の子どもが三人、私たちの前を横切って行った。
先頭を走っているのがお兄ちゃんなのだろうか。遅れてついてくる兄弟たちを気にする素振りを見せながら走っている。
一番小柄な男の子が、ケヤキの前を通り過ぎた途端、何かにつまずいたのか顔から地面に倒れ込む。
しばらく呆然としていたものの、痛みに気がつき火が付いたように泣きわめく。
「おやおや」
そう呟いたケヤキはその子に駆け寄ると、側に膝を付いて子どもの脇に手を入れる。ひょいとその子を持ち上げたケヤキは、軽々と肩に乗せた。
その子は驚いて目を丸くする。

