賑わう社頭をゆっくりと歩いた。
しばらく歩いていると、ケヤキが申し訳なさげに口を開いた。
「先ほどはすみません。久しぶりに飲んだからか、酔ったみたいです」
そんなケヤキに慌てて「気にしないで下いさ」と首を振る。
「仲がいいんですね」
「ええ……生まれた年も、泰助さまに名をもらった年も一緒でした。もう五十年近く会っていなかったのですが」
「ご、五十年……」
目を見開きながら繰り返す。
妖の五十年は、彼らにとってはほんのわずかな時間なのだ。
「昨日会った友人のように、いつも迎え入れてくれるんです、須久木は」
ケヤキの目がいつになく優しく細められる。
嬉しそうで懐かしさを含んでいて、それなのにとても悲しそうで寂しげなのは、彼がここへ来た日からずっと変わらない。

