須久木を見上げ、笑いを堪えながらそう言ったケヤキ。私に向き直る。 「須久木が早く部屋に戻るようにと言っております。さあ、私がお送りいたしましょう」 「あ、はい。ありがとうございます」 慌ててケヤキに歩み寄った。 一度振り返って、須久木に向かって「おやすみなさい」と声をかけてみる。返事はなかったものの、私の側に一枚葉っぱを落としてくれた。 頬を緩めながらそれを拾い上げ、「行きましょう」と歩き出したケヤキの隣に並んだ。