私たちと話すときとはずいぶんと違って、少し砕けた口調で親しげな声色だった。
須久木。この御神木にも名前があるんだ。須久木の名前もまた、ひいおじいちゃんが付けたのだろうか。
それにしてもふたりはとても仲がいいんだな。なんだか少し羨ましい。
そんなことを考えながら、じゃれ合うように楽しそうに話す二人を見つめる。
「麻どの、麻どの。聞いて下され。こやつは以前、人の娘の気を引こうとして、見向きもされなかったのですぞ。“木”は“気”を引けぬ見向“き”もされぬ、とな」
頬を赤くしてははっ、と楽しそうに笑ったケヤキの頭にどさっと大量の葉っぱが降ってくる。小さな悲鳴を上げたケヤキは、葉っぱの下から這出てきた。
「────ああ、ああ分かったから。悪かった、そう怒るな」

