あやかし神社へようお参りです。



 ケヤキが御神木の根元をぽんと叩けば、まるで返事でもするように御神木がわさわさと揺れる。

 茂る木々の月明りに照らされた切り絵のような影が地面の上で揺れる。


 「えっと、御神木が喋るんですか……?」

 「ええ、よく話しますよ。こいつとは古い友ですが、知人の中では一番喧しい」


 そう言い切った途端、そこそこ太い木の枝が真っ直ぐとケヤキの頭に落ちた。

 「いてっ」と脳天を押さえて肩を竦めたケヤキを、カラカラと嘲笑うように御神木の葉っぱが鳴る。


 「今のは、なんて言ったのかなんとなくわかります」


 クスクスと笑いながらそう言えば、ケヤキが拗ねたように少し唇を突き出した。


 「おい須久木(すくき)、覚えておれよ。必ずいつか仕返ししてやる」