「……私にでも、できることはありますか」 考えて考えて、そして出てきたそんな言葉に、三門さんの頬がふっと緩む。伸ばされた手はいつも通り、私の頭をそっと撫でた。 「葵や多聞にしてあげたように、ケヤキの心に寄り添ってあげて。それは麻ちゃんにしかできないことだよ」 私にしかできないこと。 胸の中で繰り返す。 「麻ちゃんの言葉が葵の背中を押して、多聞の想いを繋いだんだ。僕にはそんなことできないよ」 三門さんの手が頭から離れていく。ほんのりと残った熱が少し心地よい気がした。