「教えてくださいって言われてもねえ。魑魅っていっちゃあ、私たちですら近付きたくない妖じゃないか」
「そうだな。もしも誰かが見かけたのなら、直ぐに皆に知れ渡るだろうし」
「できることなら関わりたくない奴なんだぞ?」
みんなが意地悪でそう言っているわけではないのは、彼らの不安と戸惑いがこもった目を見ればすぐに分かった。
私は魑魅について聞いたことしかないけれど、話を聞いただけでもとても恐ろしい妖であることが理解できた。
妖たちの反応があまり良くないのも無理はない。
そこまで袖手して黙って聞いていた三門さんがおもむろに口を開く。
「葵はどう? 空を飛んでいて、何か見かけたりしなかった?」

