鏡を見ながら確認して、「大丈夫ですか?」と首を傾げる。
三門さんは微笑み、ひとつ頷いた。
「よし、それじゃあ神様にご挨拶しに行こうか」
ぽんと太ももを叩き立ち上がる三門さんに、私は首をかしげた。
神様にご挨拶?
「神社の中は神様のおられる場所だから、神様に『今日からこの子が巫女奉仕しますよ』という挨拶をしなくちゃね。それから、簡単な祓詞を唱えて玉串を奉納するんだよ」
雪駄と呼ばれる履物に履き替えながら説明を聞く。
榊の枝に紙で作った紙垂を麻で結んでたらしたものを「玉串」というらしい。総理大臣が玉串料を収めたなんていうニュースを聞いたことがある。

