母と“あんなこと”があって、ひどく心細く思っていた時期に三門さんから手紙が届き、本当に嬉しかったの覚えている。
事情も話さず、声すら出さない私にとてもよくしてくれている三門さんには心から感謝している。
それに、何もしないでただお世話になるのは、少し申し訳ないなと思っていたところだった。
「よろしくお願いします」の気持ちを込めてじっと三門さんの目を見つめてから深く頭を下げる。
三門さんは嬉しそうに目を細めた。
「ありがとう、とっても助かる。それじゃあ、ここが片付いたらいろいろ説明するね」
もうひとつ頷き、再び手を動かし始めた。

