朝食後、食器洗いを手伝っていると、三門さんがふと口を開く。
「ねえ麻ちゃん」
食器を拭いていた手を止めて、横に並ぶ三門さんの顔を見る。
「もし良かったら、今日から家に帰るまで、神社のお仕事を手伝ってくれないかな」
そう提案してきた三門さんに、いまひとつぴんとこず首を傾げる。
「うちの神社にはずっと巫女さんがいなくて、年末年始はひどく忙しくなるから僕ひとりだとてんやわんやになっちゃうんだ。だから、麻ちゃんが手伝ってくれたらとても助かるんだけど、どうかな。もちろん無理強いはしないよ」
優しい声でそう言った三門さんに、私は手元のお皿をじっと見つめる。

