あやかし神社へようお参りです。




 まどろむ意識の中で、笛や太鼓の音色が聞こえたような気がした。

 それと共に、お祭りの時みたいにがやがやと人が集って話す声が聞こえてくる。


 社頭のほうからだろうか、それともどこかでお祭りでもしているのだろうか、うつらうつらする中で、そんなことを考える。


 『三門さま、あの子が帰ってきているって本当ですか?』

 『あの子の気配がします、三門さま。近くにいるのですか?』


 うきうきと弾むような声が聞こえる。


 『ああ、本当だよ。でも今日は会えない。まずはゆっくり休ませてあげたいんだ』


 三門さんの落ち着いた低い声。

 誰かと会話をしているようだ。