一所懸命に私を助けたいと伝えてくる子供たちの気持ちが嬉しくて、葵の願いを少しだけ話した。
大好きな人がいるのに助けてあげられないのだと、簡単にして伝える。
一通り話し終えたところで、河童の子どもがおもむろに口を開く。
「巫女さま。その葵っていうお姉ちゃん、人になれるよ?」
私は「え?」と目を瞬かせた。
「蓬莱の玉の枝の簪! 巫女さま知らないの?」
「僕も知ってるよ! それを頭に挿したら、妖が見えない人間にも僕らの姿が見えるようになるんだよね!」
子どもたちが口々に話はじめ、慌ててストップを入れる。

