あやかし神社へようお参りです。



 「……こ、この前は、ごめんなさい。……痛かった、よね?」


 「ううん、ちっとも痛くないよ! 一反木綿から落ちた時の方が痛かったもん! お山のてっぺんくらいから、川にドッボーンて落ちたんだよ、すごいでしょー! あとはね、ぬりかべが倒れてきたときの方が痛かったよ!」


 そう言って自慢げに鼻を鳴らした河童の子は、私の手をぎゅっと握る。

 相変わらず冷たい手だけれど、今ではそんなに気にならない。その小さな手をそっと握り返した。


 「み……皆のような存在がいるって、知らなかったの」

 「巫女さまおもしろーい! 人間がいて動物や虫がいるんだから、妖だっているに決まってるのに!」

 「そうだよ、動物は知っているのに妖は知らないなんて、巫女さまは面白いことを言うんだね!」