「ほら、まだ葵の言葉に影響されているよ」
三門さんは私の頬に手を伸ばし、いつの間にか流れていた涙を袖でぬぐった。
「麻ちゃん、妖の言葉に振り回されるのはあまり良くない。ここにいる妖たちのように、善良な妖ばかりではないんだ」
きゅっと唇を結んで俯く。じゃあ本当に、私にはもう葵に何もしてあげれることはないんだ。
「あれれ、三門さまから青女房さんのところのきゅうりチップスの匂いがする!」
「三門さまだけで独り占めなんてずるいぞ!」
「ねえねえ三門さま、一緒にかごめかごめしようよ!」
そんな声が聞こえたかと思うと、三門さんが「うわっ」と驚いた声をあげて前のめりになった。
小さな妖たちが、三門さんの背中にのしかかっている。

