三門さんに背中を押され、オレンジ色の光で溢れる本殿の前に出てきた。
人とは違う容姿をした妖たちに、やはり慄き息を飲む。そんな私の気持ちを察してか、三門さんは私の右手を握って歩き出した。
ふと、胸の中に温かくて少し切ない、名前を付けるとすれば「懐かしい」が当てはまるような、そんな感情が芽生える。
目を瞬かせ、そして握られた手をじっと見つめる。
なぜ突然懐かしいなんて、思ったのだろうか。
「これはこれは、三門さま。今日も良い月夜ですなあ」
いち早く私たちの姿を見つけた老人の姿をした妖が声を掛けてくる。思わず三門さんの陰に隠れた。

