「お、おいマサシ! その腕どうしたんだよ!」
いつも通り、河原の岩に腰掛けて少年の帰りを待っていた少女は、少年が現れるなり驚き声をあげた。
半袖のシャツから延びる腕は赤く染まっていて、少年が傷を押さえる反対の手の隙間からは血が滴り落ちている。
「……転んじゃって」
苦笑いを浮かべた少年に、少女はいきり立つ。
「嘘つけ! またあのクソガキたちだな! 私が成敗してきてやるっ」
「待って葵! いいから、もういいから」
怪我をした方の腕で、少女の手首をつかむ。
痛みに顔を顰める少年を見て、少女は掴まれた腕を振り払うことができなかった。

