「阿保かお前は! 目を瞑って飛び降りる奴があるか!」
川岸にしゃがみ込んだ少女がそう怒鳴る。
川の水で濡らした手ぬぐいを固く絞ると、川辺に座り込む少年に放り投げた。
両手で受け止めた少年は、赤く腫れあがった額にそれを当てた。
「あーあ、でかいタンコブ。鬼みたいだ」
少年の前髪をめくりあげながら、少女がそう呟いた。
「おい、マサシ? さっきから黙りっぱなしで、どうしたんだよ。まさか、他にもどこか痛むのか?」
慌てだす少女をよそに、少年は突然腹を抱えて笑い出した。
「お前、頭おかしくなったのか?」と少女が心配しだす。

