あやかし神社へようお参りです。








 「けっけっけ、ザマーミロくそがき!」


 木から逆さづりになって「あっかんべえ」と声をあげた少女は、逃げ惑う背中を見てけらけらと笑い声をあげた。


 「あ、葵! お願いだから、木を揺らさないでっ」


 同じく木に登っていた少年は、一番太い幹にしがみつき泣きべそをかく。
 「あ?」と怪訝な顔で振り返った少女は、泣きっ面の少年を不敵な笑い声をあげ、その場で飛び跳ね木を揺らす。

 少年から、「ひええ」と情けない声が上がった。


 「弟子にする」と少女が宣言したあの日から数日が立ち、ふたりはよく会うようになった。

 というよりも、少年がいじめられている場面に突如として現れ、いじめっ子たちを撃退する、という状況の方が正しいのかもしれない。