「あいたっ」
「おい、聞いてるのか! そんなんだからへなちょこって言われるんだぞ!」
涙目で頭を押さえた少年に、少女は怒鳴りつけた。
「き、聞いてます……! で、でも喧嘩はダメだって、先生が……」
「はァ? じゃあお前、今まで喧嘩したことないのか? 食いモンの取り合いになったら、そどうやって決着をつけるんだよ?」
まるでおかしなものでも見たかのように顔を顰めた少女。
少年がもごもごと口ごもっていれば、「鬱陶しいなお前!」とまた怒鳴る。
ひいっ、と悲鳴を上げて肩を竦めた少年を睨みつけた少女は、しばらく腕組をして何かを考えるように眉間に皺を寄せる。
少年はそろりそろりとその場から離れようと歩き始めたが、直ぐに少女の目がカッと見開かれ硬直する。

