何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

制服についた血はすでにほとんど乾いているように見えたけど、もしかしたらこの上から着たらパーカーを汚してしまうかもしれない。


「えー? いいよいいよ。どうせ黒だしついてもわかんないから」

「えっ、だ、だめだよ! 貸してくれる上に、汚しちゃうなんて……。あ、制服脱いでから着るね!」

「ーーえ」


私の言葉に、虚をつかれたような顔をする中井くん。一瞬どうしたんだろうと思ったけれど、すぐに彼の表情の変化の意味を理解する。


「あ……あの、ち、違う部屋で! と、トイレとか! 洗面所とかで!」

「あー……うん。そうだね。洗面所、リビング出て右の扉ね」

「あ、ありがとう」


私はそそくさとリビングを出て、洗面所に入る。

ーーヤバい。ドキドキが止まらない。

本当にどうしちゃったんだ。こんなことくらいで。別に中井くんの前で服を脱ぐとか、そんな話じゃないのに。

っていうか、中井くんも一瞬微妙な反応をするから、私もドギマギしてしまったじゃないか。まったく中井くんめ。

血のついたブラウスを脱いで畳んでからリュックにしまうと、下着の上から黒いパーカーを羽織り、ジップをきっちりと締める。