何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

そう言った中井くんの笑みが、なんだか「しょうがないなあ、折原さんは」とでも言っているような、親しみのあるからかいが含まれているように見えて。

彼と親密な関係になれたように思えて。なぜか、私の心臓は高鳴った。

ーーなんでこんなことでくらいでドキドキしちゃうんだろ。私やっぱり。

中井くんのこと……好きなのかも。


「わ、わ、私にとっては神なの!」


何か言わないのも変なので、私は慌ててそう言った。


「それもこの前聞いたよ」

「いいでしょ、神なんだからっ」

「はは。やっぱ折原さんいいわー。……でも、ちょっと無防備過ぎない? 人ん家来るのに、二つ返事でさ」

「……? どういうこと?」


中井くんの言っている意味がまったく理解出来ず、私は首をかしげた。

すると中井くんは、ちょっと慌てたような顔を一瞬したかと思ったら、顔の前でパタパタと手を振る。


「あー、いやいや、なんでもないよ。じゃ、行こっか」

「……? うん」


なんだったんだろう。ーーまあいいか。

ちょっと疑問だったけれど、私はお母さんに「ちょっと遅くなる」と連絡を入れた後、中井くんについいくように病院を出て、彼の家へと向かったのだった。