何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

私の家は、学校の最寄り駅の隣の駅の真ん前なのだ。歩いて帰れない距離ではないが、それなりに時間がかかるので、通りすがりの人に沢山会ってしまうだろう。

けど、着替えも今は持っていないし、どうやって帰ればいいんだろ。

すると中井くんは、頬をポリポリとかきながら、なぜか少し照れくさそうな顔をした。


「あのさ、折原さんがよければ……なんだけど」

「え?」

「俺ん家、この近くだから。家に来てくれれば、着替え貸せるけど」

「え! いいの!?」


願ってもいない話に、私は迷わず飛びつく。


「うん。制服の上から、羽織れる物でも貸すから」

「た、助かる! お願いします!」


思わぬ助けに、自然と笑顔になってしまった私。

トラ子を病院へ連れていくことをアドバイスしてくれ、病院代も支払ってくれて。

さらに私のことまで、助けてくれるなんて。

中井くんって、本当に。


「ーー神だ」


思わず口に出てしまった。だって、心からそう思ったから。

すると中井くんはクスリと笑う。


「前にも言ったけど、俺は普通の男子高校生っすよ」