何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

待合室にかかっている時計を見たら、すでに7時を回っていた。いつもなら、そろそろお母さんと一緒に夕飯を食べる時間。お母さんが夜勤の日は、私一人だけれど。

確かお母さんは今日は日勤だったはず。急いで帰らないと、心配するかもしれない。


「あ、帰るけど……」

「その格好で……?」

「え……?」


中井くんが私のお腹のをちらりと見て言った。意味がわからなかったが、私は彼の視線を追う。ーーすると。


「わ! 何これ!?」


制服のブラウスに、血がべったりと付いていた。トラ子を運んだ時に付いてしまったのだろう。

トラ子、結構血が出てたもんなあ……。運ぶのに必死で気づかなかった。


「そんな格好で外出歩いたら、みんなびっくりしちゃんじゃない? 事件かと思って、通報されちゃうかも」

「うん……そうだね」

「折原さん家が近いなら、ダッシュで帰れるかもしれないけど」

「うーん……私電車通学だからなあ。駅、人がいっぱいいると思うし、こんな格好で行ったらヤバいよね……」