何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。


「ーーうん」


私は泣きながら微笑んで、中井くんの手を握る。少しふらつきながらも、彼が肩を貸してくれたので、なんとか立ち上がることが出来た。

ーー本当によかったよ、中井くんがいてくれて。

私は彼に、心から感謝したのだった。






手術を無事に終えたトラ子は、診察室奥の入院中の動物達がいる部屋の中にいた。

そして入れられたケージの中で規則正しくお腹を動かしながら、眠っていた。まだ麻酔が効いているらしい。

足には包帯、首にはまるでメガホンのようなものを付けられていた。

メガホンみたいなものは、エリザベスカラーというもので、猫が傷口を舐めたり縫合糸を引っ張ったりするのを防ぐために付けるらしい。

文字通り、首周りに大きなアクセサリーを付けているトラ子は、エリザベス女王様みたいで、ちょっと面白かった。

トラ子は数日入院すれば、退院できるとのこと。よかったけれど、その後の世話はどうしよう

さすがに怪我が完治していない状態で外で飼うわけにはいかない。うちで里親が見つかるまで、こっそり飼うしかないのかなあ……。お母さんに事情を話さないといけないなあ。

そんなことをケージの中にいるトラ子を、中井くんと一緒に眺めながら私が考えていると。