何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

「そんなもん、いつも見てればわかるって」

「ーーえ?」


いつも見てる? 一体それって、どういうこと……?

そう思った私だったが、その疑問を中井くんに問う前に、診察室の扉が開いて、病院の先生が出てきた。


「トラ子は……大丈夫なんですかっ」


私は思わず先生に駆け寄り、泣きそうになりながら尋ねてしまった。

先生はそんな私を見て、にこっと笑うと。


「大丈夫ですよ。幸い、内蔵の損傷はほとんどありませんでした。後ろ足の骨折も、きちんと治療すれば元に戻ります」


私をなだめるように、先生は言ってくれた。


「よかった……」


私はあまりの安堵感に、力が抜けてその場にへたりこんでしまった。そして瞳からは涙がこぼれ落ちる。堪えていたのに、溢れ出てきてしまった。


「大丈夫?」


すると、中井くんが屈みながら私に手を差し伸べてくれた。

私を覗き込む中井くんの顔は、穏やかな微笑み。感情の変動の激しい私を、見守っていてくれているような、包み込んでいてくれているような。

そんな包容力を、彼からは感じた。