何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。




中井くんは保健委員会の集まりがあるということなので、私は1人でトラ子の縄張りの公園へ向かった。

まあ、彼は交友関係が広いから、今日に限らず元々来れないことも多い。別に慣れっこだった。
ーー残念じゃないって言ったら嘘になるけど。



「トラ子ー!」


よくトラ子が昼寝しているベンチ付近で、そう叫ぶ私。姿は見えない日も、呼ぶと8割がたトラ子は出てきてくれる。もちろん、猫だからいない日もあるけれど。

そして今日はどうやら、いない日に該当するようだった。散歩にでも行ったかな。それならそれでいっか。

そう思って、私は立ち去ろうとした。ーーしかし。

ーーにゃあ……ん……。

トラ子の声が聞こえてきた気がしたので、私は思わず立ち止まる。そしてその声がとてもか細く、いつも元気ににゃあにゃあと声を張り上げるトラ子とは、全然違っていて。

何かあったのだろうか。一瞬で肝が冷える。


「トラ子! どこ!? いるの!?」


そんな風に呼び掛けながら、私はトラ子の姿を探した。ベンチの下、滑り台の上、砂場の中。公園中を探し回る私。