何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

そう言うと、中井くんは去ってしまった。学食に行ったのだろう。

ーーそっか。今日はトラ子の世話に来ないんだ。ふーん。

って、何がっかりしてるんだ、私は。

そんなことを思っていると。


「ちょっと桜! どういうことなの!?」

「ーーえ!?」


詩織がただならぬ雰囲気を醸し出しながら、私に詰め寄ってきた。


「なんか、中井くんと約束してるみたいだったじゃん!? デート!? 桜の卵焼きも、おいしそうに食べてたし! やっぱり付き合ってるの!?」

「は、はあ!? 違うってば! 前に言った、野良猫の里親探しを中井くんが手伝ってくれてるだけ! 中井くん、猫好きなんだって」

「えー!? 本当にそれだけなの?」

「うーん……猫好きもあるかもしれないけど。中井くん、桜っちのことも好きなんでは」


すると、今度は加奈ちゃんが神妙な面持ちで、とんでもないことを言ってきた。


「ええ! そんなわけないじゃん!」


言葉に出すのも恐れ多いようなことを言われ、私は全力で否定する。ーーが。


「そうかなあ。なんか中井くん、桜っちのこと気にしてるように見えるけどなあ」

「私も思う! 泥棒騒ぎの時もさ、「この人はこんなことしないよ」って速攻で桜のこと庇ってたし。やっぱり、好きなんじゃない?」