何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。


すると、詩織が呆気に取られたような表情をしながら、小声でこう言った。


「桜と中井くんって……どういう関係?」

「はっ……!? どういう関係って……」


いきなり思ってもみないことを言われ、焦りながらも小声で応対する私。


「もしかして2人付き合ってるの?」

「はあ!? ま、まさか! 違うよ!」

「何が違うん?」


詩織の質問にびっくりして、思わず私は大声をあげてしまった。そんな私を首をかしげて見る中井くん。


「な、なんでもないよ」

もちろん、言葉を濁す私。付き合うとか付き合わないとか、そんな恐れ多い関係じゃない。トラ子のことで、彼には協力してもらっているだけだ。

ーー私の想いがどうであれ。


「ふーん。あ、そうそう。今日の放課後なんだけど」


中井くんは、そんな私の様子など気にしていないようで、あっさりと話題を変えた。ーーよかった、これ以上詮索されなくて。


「な、何?」

「トラ子のところ行こうと思ってたんだけどさー。前にじゃんけんで負けて押し付けられた保健委員会の集まりがあって。早く終わったら行くけど、もしかしたら行けないかも」

「う、うん。分かったよ」

「ごめんね。トラ子のこと、よろしく」