何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。




「桜っちのお弁当、いつも美味しそうだよねえ。いいなあー」


ある日のお昼休みの教室。いつも通り詩織と加奈ちゃんと3人で昼食を食べようとしたら、加奈ちゃんが私のお弁当をのぞき込みながら言った。


「そうかなあ」

「あ、それ私も前から思ってたー! 彩りが良くて、めっちゃ美味しそうに見えるよ。自分で作ってるの?」

「えーとね……卵焼きだけ私で、あとはお母さん。まあ、見ればわかると思うけどね」


詩織の問いに、私は苦笑を浮かべて答える。

今日のメニューは、チキンライスにハンバーグ、ほうれん草の胡麻和えに卵焼き。デザートはスイートポテト。

私のお母さんは料理上手だ。普段の自宅での食事はもちろんのこと、お弁当は彩りもバランスにも気をつけている上に、味だって絶品だ。市販の冷凍食品なんて見たこともない。

看護師の仕事をしていて忙しいというのに。大変だし、お弁当はいらないよと言ったこともある。しかし「作りたいから作ってるの!」と怒られてしまった。

さすがに毎日時間をかけて作る暇はないようで、休日にまとめて下ごしらえをして冷凍しているけれど。

最近では、私も料理を覚えてお母さんの負担を少しでも軽くしたいと考えていた。