中井くんに促され、リュックの中身を机の上に出す私。勉強道具と化粧ポーチ、それと猫缶と、カリカリ。それですべてだ。
「じゃあ一体誰が……」
安田くんが呆然としながら呟くと、中井くんがジト目で彼を眺めて、こう言った。
「そもそも本当に盗まれたのかよー? 家に忘れてきたとか、そういうオチじゃねーの?」
「なっ……そんなはずは……。あれ、ちょっと待って」
スマートフォンに何らかの通知が来たらしく、安田くんが画面をタップする。すると彼の顔が、どんどん強ばっていった。
ーーそして。
「ご……ごめん! 折原さん! 本当にごめん!」
頭を何回も大きく下げる安田くん。あまりの勢いに、私は後ずさってしまう。
「どういうこと……?」
「かーちゃんから、『あんた家に財布忘れてるけど大丈夫なの? 』ってメッセージが来たんだ……」
「え……」
「本当にごめん! 俺の勘違いだった! 本当に申し訳ない!」
ーーなんだ。そうだったのか。
「よかったねー、財布あって」
疑いが晴れて一安心、その上泥棒など存在しなかったことが嬉しくて、私は微笑んでしまう。
「え、怒ってないの……? 折原さん」
すると、何故かさも不思議そうな顔をする安田くん。
「いいよ別に。なかなかリュック見せなかった私も悪いんだし。ーーまあ、私ヤンキーだと思われてるらしいし。疑いたくもなるよね……」
「じゃあ一体誰が……」
安田くんが呆然としながら呟くと、中井くんがジト目で彼を眺めて、こう言った。
「そもそも本当に盗まれたのかよー? 家に忘れてきたとか、そういうオチじゃねーの?」
「なっ……そんなはずは……。あれ、ちょっと待って」
スマートフォンに何らかの通知が来たらしく、安田くんが画面をタップする。すると彼の顔が、どんどん強ばっていった。
ーーそして。
「ご……ごめん! 折原さん! 本当にごめん!」
頭を何回も大きく下げる安田くん。あまりの勢いに、私は後ずさってしまう。
「どういうこと……?」
「かーちゃんから、『あんた家に財布忘れてるけど大丈夫なの? 』ってメッセージが来たんだ……」
「え……」
「本当にごめん! 俺の勘違いだった! 本当に申し訳ない!」
ーーなんだ。そうだったのか。
「よかったねー、財布あって」
疑いが晴れて一安心、その上泥棒など存在しなかったことが嬉しくて、私は微笑んでしまう。
「え、怒ってないの……? 折原さん」
すると、何故かさも不思議そうな顔をする安田くん。
「いいよ別に。なかなかリュック見せなかった私も悪いんだし。ーーまあ、私ヤンキーだと思われてるらしいし。疑いたくもなるよね……」



