何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

詳しいことは知らないけど、花が好きなのは本当だ。美しい花は、見ているだけでこちらも華やかな気持ちにさせられる。

動物とか植物とか、自然のものが私は昔から好きなのだ。

すると横田さんは目を輝かせた。


「ほんと!? なんか嬉しいなあ」

「うん、いつもここの花綺麗だなって思ってたんだ」

「やった! これからもがんばろ!」


うきうきした調子で横田さんが言う。自然と私の顔も綻んでしまった。

すると横田さんが、私の顔を見てちょっと言いづらそうにこう言った。


「ごめん、私折原さんのことよく知らなかったんだけど、ちょっと怖い人なんだと思ってた……。」

「ーーああ。まあ、いつも一人でいるし、こんな見た目じゃねえ。全部生まれつきなんだけどさ」


私は苦笑を浮かべて自分の栗色の髪を触る。すると横田さんは大層驚愕した面持ちになった。


「え! そうなの!? そういえば目鼻立ちもはっきりしてるけど、外国の人の血でも混ざってるの?」

「ううん。秋田県出身のお母さんがそういう遺伝子を持っててさ。日本人なんだけど、東北の方には少しいるみたい」

「そ、そうだったのー!? 私はてっきり染めててカラコン入れてるのかと……」

「あはは。みんなそう言ってるよね。ヤンキーだと思われてるだろうなあ」

「ーーあー……そう、だと思う……」