何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

「私が……似てるの?」

「ああ。母さんはドイツ人と日本人とのハーフだから。君と髪や目の色が似てるんだ。顔立ちや雰囲気も、なんとなく」

「ーーそうなんだ」

「だから実も桜にはなつきやすかったんだと思う。桜のこと、実はえらく気に入っている。会ったら仲良くしてくれると嬉しい」

「も、もちろんだよっ……」


私は力んで返答する。この髪と目によって、実くんの寂しさが少しでも和らいでくれるなら、私は喜んで協力する。


「ーー俺の話はこんな感じだ。で、桜は?」


渉くんが最初に事情を話してくれたから、打ち明けやすかった。

私は悠の記憶喪失のこと、それ以前の悠と私との関係を、順を追って渉くんに説明した。


「彼氏が、桜のことだけ、記憶喪失……。そんなことってあるんだな」

「ーーうん。なんでよりによって私の事だけなんだろね。あーもう、神様意地悪すぎじゃない?」


私は自嘲気味に笑って言う。渉くんに打ち明けたことで、少し余裕が出来た気がする。

心の奥深くに、辛い悲しみが巣食っているのは相変わらずだけど。


「桜。彼氏ってもしかして……俺が一度公園で会ったやつか?」