何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

やった! 会えた!

嬉しくなって、私は椅子から立ち上がり、渉くんの方へと駆け寄る。


「渉くん!」

「え……? あ、桜」


彼は私の姿を認めると、小さく微笑んだ。あまり表情を顔に出すタイプじゃないから、彼が私を受け入れてくれていることがわかる。


「よかった。探してたんだ。昨日会おうって言ったのに、こんな広い病院じゃ見つけられなくて」

「私も、探してたの……! なんとなくラウンジに来て、よかったよー」


渉くんも私と同じ状況だったらしく、なんだか嬉しかった。


「ーー実。俺は向こうで座ってるから。ここで遊んでろよ」

「はーい」


実くんは遊ぶのに夢中で、私の存在には気づいていないみたいだった。渉くんの言葉に、上の空気味に返事をする。

そして私と渉くんは、プレイルームがよく見える位置のテーブルについた。

私はさっき買ったアイスカフェオレを眼前に置く。渉くんは、緑茶を自動販売機から購入した。


「桜、毎日病院に来てるのか?」


飲み物を少しだけ飲んだあと、渉くんが神妙な面持ちで尋ねてきた。


「ーーうん」


私は昨日思ったように、すぐに事情を彼に話そうと思ったのだけど、その後の言葉が続かない。いざ言おうとすると、なんだか言いづらかった。