何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

昨日、この時間にまた病院に来る、と渉くんが言っていたから信じて来てみた私だったけれど。

ここ大泉中央病院はは、さまざまな診療科目があり、病棟も五階建てという広大な医療施設だった。

こんなに広くちゃ例え同じ時間に病院の敷地内にいたとしても、2人に会うのは難しいのでは……。

昨日はそこまでのことをよく考えていなかったから、気づかなかったんだ。

はあ、ちゃんと渉くんと待ち合わせ場所でも決めておくんだったなあ。

なんて後悔の念を抱きながら、私は病院内のラウンジという場所に行った。

ラウンジは、お見舞いの人や病室から出られる入院患者が使える、カフェテリアのような場所だ。

日当たりのいい窓際に、テーブルと椅子がいくつも置いてある空間。大きな自動販売機も、4台も設置されている。

私は自動販売機でアイスカフェオレを買うと、椅子に座りちびちびと飲み始めた。

窓の外を眺めると、木々の葉が少しだけ紅葉しているのが見えた。

10月になり、秋が深まってきた。悠が入院して、もう3週間あまり。ーー記憶がなくなって、もう3週間。

たった3週間、と他人は思うかもしれない。だけど私にとっては、恐ろしく長い3週間だった。

悠と一緒に過ごし、毎日夢のように楽しかった夏休みは、あっという間だったというのに。

ーーもしかしてこのまま。一生、このままなんじゃ。