はっきりとそう言った中井くんの顔は、花火の明かりに照らされて神秘的に光っていた。
「私も……だ、大好き……です」
勇気を出して紡いだ言葉は、少したどたどしくなってしまったけれど、私はやっと自分の深い思いを、声に出して伝えることができた。
本当に心から。世界中の誰よりも。
ーー大好きです。
中井くんは、どこか切なげに微笑むと、私の頬にそっと手を添えた。そしてさらにゆっくりと、私に顔を近づけてきた。
横目に一段と大きな花火が咲いたのが見えた。きっと今日の目玉である花火だろう。赤や黄色、青の閃光が眩しかった。
そんな花火の光の中で、私達は初めてのキスをした。
唇から感じたのは、熱くて、優しくて、幸せな温もりだった。
「大好きだよ」と言ってくれた中井くんの想いが、唇を通して私へとどんどん伝わってくる。
「ずっと一緒にいよう」
口付けを終えた後、中井くんが私の手を握り、桜の指輪を指で撫でながら言った。
「うん……!」
私は喜びと幸せをこれでもかというほど噛み締めながら、深く同意したのだった。