何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。


正直な心の内を打ち明けるのは怖かったけれど、中井くんはそれを真剣に聞いてくれていて、嬉しかった。

ーーお母さん、私ちゃんと言えたよ。


「あー、もう。わかってねーなあ」


すると中井くんは無邪気に笑って、両手の平を背中の方へつけて、天を仰いだ。


「そりゃね、俺は友達は多いかもしれない。人気者かどうかは知らないけど、楽しい時間を共有出来る仲間は、たくさんいるよ。ーーだけどね」


一段と大きな花火が夜空を彩った。ザラザラと音を立てながら消えていく、散り散りになった花火の残り火が、夏の夜を切なく演出する。


「俺にだって折原さんしかいないよ。心から好きで、大事にしたくて、ずっと一緒にいたいと思えるのは……折原さんしかいないんだよ」


私をまっすぐ見つめる中井くん。時折赤や黄色の光に照らされて、普段以上に魅力的に見えてしまう。

信じられないくらい嬉しい彼の気持ちを聞いたためか、私の瞳からはいつの間にか涙が零れていた。


「わ……私も。ずっと、一緒にいたいよ。中井くんと」


恥ずかしがりながらも、同じ気持ちであることを私は告げる。それを聞いた中井くんは、優しいほほ笑みを浮かべた。