何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

ガラスドームの中に、かわいらしい桜の情景が封じ込められた、あの指輪だった。


「どうして……?」

「え、だってほしそうな顔、してたから。なんで買わなかったのかは、わからないけどさ。めっちゃ気に入ってたように見えたよ」

「でも……」

「あ、ごめん。いらなかったかなあ」


中井くんがばつ悪そうに笑う。私は慌てて首を横に振った。


「ち、違う! 嬉しいの! すごく、欲しかったの! ありがとう!」


勢いよく私がそう言うと、中井くんが安堵の笑みを浮かべた。


「あ、それならよかったー。ってか、やっぱりめっちゃ似合うね。折原さんに、それ」

「……!」


中井くんの真っ直ぐな言葉に、胸を打たれて息が止まる。

ーー私はなんてつまらないことを考えていたのだろう。

せっかく気に入った指輪を、自分には似合わないと思い込んで。

こんなにも私を見て、私のことを考えてくれている中井くんの隣で、勝手に後ろ向きなことを考えて、無駄に落ち込んで。

なんて失礼な子なんだろう。


「折原さん、さっきはごめんね」

「え……?」